薬師岳(やくしだけ)は富山県富山市南東部に位置する標高2,926 mの山。剱岳・立山と並ぶ飛騨山脈(北アルプス)立山連峰の主要峰である。山域は中部山岳国立公園に指定されている。山頂には二等三角点が設定されている。点名は「薬師ヶ岳」。駒ヶ岳同様、日本各地には薬師岳という名の山が多数ある。全国的に知名度が高く、その最高峰がこの薬師岳である。
北アルプスの山で有数の、非常に大きなどっしりとした気品のある山容である。東斜面には、大規模な氷河地形の薬師岳圏谷(カール)群がある。立山などと同様に、薬師岳も山岳信仰の対象であり、阿弥陀浄土としての立山(雄山)に対し、薬師岳はその名の通り薬師如来の浄土として信仰を集めた。山頂にはこの薬師如来を祀った小さな祠があり、銅剣など、数々の修験の宝具が見られる。(Wikipediaより)
太郎兵衛平から見る薬師岳 |
歩行距離 | 14.3km |
所要時間 | 8時間45分 |
累積標高差 | (+) 789m (-) 1774m |
コース | 太郎平小屋05:20 → 薬師峠05:35 → 薬師山荘07:00 → 薬師岳07:55 → 薬師山荘08:44 → 薬師峠 → 太郎平小屋 → 五光岩ベンチ → 三角点 → 折立14:05 |
04:30起床、相部屋の人に挨拶して、05:10太郎平小屋を出発する。外は薄暗く、東側の大きい薬師岳の山稜が朝焼けしている。まだ空は晴れ天気はいい。太郎兵衛平の木道と石畳の道を薬師岳の方向に向かって20分ほど歩く。一旦下りになり薬師峠キャンプ場を通過する。テントは2つしか残っていない。キャンプ場には管理棟があり、夏場には売店も営業しているようだ。標識に従い薬師平の方向に進む。岩がごろごろ折り重なった沢沿いの急登を登る。疲れがたまり少し足が重い。昨日も会った大きなザックを背負った大阪の縦走登山者追い越してきたので話をする。昨日は薬師峠のキャンプ場に泊まったようだ。縦走登山で稜線を歩くとき、強風には十分な注意が必要だということをアドバイスされる。今水を4.5リッター背負っているが、沢でもう少し水を汲んでいこうか迷っていた。この先立山まで水場が無いようだ(山小屋を除く)。風が強くなるのでお気を付けて・・・。
縦走登山者を再び追い越し、岩場を登りきり広い草原の薬師平に出る。木道の上を歩く。途中にベンチもある。右手の雲ノ平の向こうに槍ケ岳が見える。どこから見ても目立つ山だ。草原を過ぎハイマツ帯を抜けると森林限界を過ぎ、ガレ場の広い尾根の急登を登っていく。たくさん登山者が行き交う。稜線にでると強風が吹いてくる。広い尾根道は霧がかかれば迷ってしまいそうだ。要所に道標のケルンが積まれている。大きめのケルンの陰で一休みして太郎平小屋の弁当を食べる。
薬師岳山頂付近の山稜は白い砂礫で覆われ、山全体が白く見える。ねずみ色に近い色といったほうが正しいだろうか。白色の広い尾根道を登り2701mのピークまでくと薬師岳山荘がある。2010年に建てられた新しい小屋だ。建物の周りには、ネパールの山にで見るような小さい小旗群が飾ってあり、強風になびいている。小屋を過ぎ再び広い尾根道の登りになる。風は更に強くなり、飛ばされそうで恐怖感が増してくる。振り返れば歩いてきた尾根道の向こうに太郎平が、更にその遠くに富山湾と能登半島が見える。絶景だ!!
山頂が目の前に見えてきて、道は緩やかなトラーバスになる。ザックを薬師岳山荘に置いて登っている中高年女性グループを追い越す。昨日、太郎平小屋に泊まっていた一団である。リーダーの男性は、相変わらずテンションが高い。左側が緩やかに切れ落ちた岩場を越える。痩せ尾根を通り過ぎ、薬師岳山頂は目の前だ。07:55ついに薬師岳山頂に達する。山頂中央には、薬師堂の祠がある。強風に耐え記念撮影をする。山頂北東方向には、北薬師岳、その向こうに立山と剱岳そびえる。その稜線には縦走路が続いているのであるが、アップダウンが激しく険しそうだ。大阪の登山者は、この強風のなか立山への縦走を続けるのだろうか・・・。心配になってくる。立山の右手には五竜岳、鹿島槍ヶ岳の稜線が見える。南東方向には、水晶岳、常念岳、鷲羽岳、槍ヶ岳、穂高連峰など北アルプスの百名山が目白押しだ。素晴らしい絶景で見とれてしまう。
しばらくすると追い越した中高年女性グループが山頂に到着し、賑やかになる。記念写真を撮るように頼まれる。上品なそのグループの中高年女性の一人が「今日薬師岳に登り、明日は黒部五郎岳を登る。明日の黒部五郎岳の登頂で日本百名山全100座登頂を達成するんです。」と言う。すごい!!大ベテランの一団であった。
天候が崩れないないうちに下山しなければ。早々に下山を開始する。広い尾根道を下っていると西側の黒部五郎岳のほうから黒い雲が押し寄せてくる。薬師平付近で小雨が降りだす。薬師岳方向を振り返ると見る見ると雲に覆われいく。ザックからレインスーツを取り出し着込む。カメラはザックの中に仕舞い、歩くことに専念する。太郎平小屋を過ぎ、折立方向に下っていく。登ってきた小岩の尾根道は、長く歩きにくく結構な時間を要する。
14:05 無事、折立の駐車場まで戻ってくる。初日に出会った軽自動車で旅する千葉の中高年はもう下山しただろうか・・・。沢山駐車していた車は減り、もう十数台しか残っていない。やった〜!!3泊4日の初めての北アルプスの山旅を終え、深い達成感を感ずる。山でいいものを食べていなかったので空腹感が増す。パスタとバケットで腹ごした後、折立駐車場を出発する。当初計画していた立山登山は中止することにして、明日萩への帰路に就くことにする。その前に温泉に入りたいという強い欲望にかられる。
有峰林道を下り、カーナビで検索して、道に迷いながらも「」にたどり着き、温泉に浸かり溜まった垢を落とす。強風が吹き荒れる。今日は一旦北陸自動車道に乗り、日暮れまで走り、明日の走行距離をできるだけ短くなるようにしよう。強風のなか北陸自動車を西走し、18:30 福井県北鯖江PAに車を止め、今晩の宿泊地とする。途中のコンビニで買ったおでんの夕食を食べる。あ〜最高だ!!旅の最後の夜を満喫する。テレビのニュースによれば、天候が荒れた原因は、日本海に出た台風が温帯低気圧に変わり発達したからであった。ほぼ日本列島全体が大荒れになった様子だ。溜まった疲れ一気に出て深い眠りに就く。今晩はそばにトラックが来ませんように・・・。
05:30起床、ゆっくりコーヒーを飲み、06:30 北鯖江PAを出発する。再び北陸自動車道を南下する。天候もほぼ回復してきた。米原JCTから名神高速道を通り、吹田JCTから中国自動車道に入る。交通量が極端に減り、ほとんど走っている車がいなくなる。10時間を越える長距離ドライブは、途中で疲れて眠くなる。途中の岡山県のPAに車を止め1時間の仮眠をとる。15:10 戸河内ICで中国自動車道を降り、国道191号線経由し、18:00 萩の自宅にたどり着く。無事帰れたことを北アルプスの山の神様に感謝する。
早朝太郎平小屋を出発する。 |
木道を歩く・もうすぐ日の出 |
木道を歩く・もうすぐ日の出 |
薬師峠のキャンプ指定地を通り過ぎる。 | 薬師峠のキャンプ指定地を通り過ぎる。 |
4.5リッタのー水を背負う大阪から来た登山者。立山に抜けるという。 |
河原のような岩の急登を登る。歩き辛い。 | 昨日歩いた稜線を見る。 薬師平の木道を歩く。 |
薬師平の木道を歩く。 |
槍ヶ岳が見えてくる。 |
振り返ると太郎平と北ノ俣岳が見える |
登ってきた薬師平を振り返る。後方には黒部五郎岳と北ノ俣岳が見える。 |
薬師平を過ぎガレた急登を登る。 |
薬師岳山頂が見えてくる。 |
薬師山荘が見えてくる。 |
薬師山荘の前を通りすぎる。山頂まであと50分。 | 強風が吹く。 |
急登登りきるとなだらかなトラバースになる。 |
強風の中痩せた尾根を通過する。慎重に!! |
尾根の陰になり強風を遮る。山頂は目の前だ。 |
薬師岳山頂(2926m)に到着する。 |
強風に耐え山頂で記念撮影。 |
山頂にて。日本百名山100座登頂が目前の中高年グループ。 |
薬師岳山頂からの眺望@ 北東方向の剱岳・立山方面 薬師岳山頂からの眺望A 北東側方向の五龍岳・鹿島槍ヶ岳方面 薬師岳山頂からの眺望B 東側方向 薬師岳山頂からの眺望C 南東側方向の鷲羽岳・槍ヶ岳方面 |
薬師岳の稜線の先に黒部五郎岳、笠ヶ岳が見える 下山開始。太郎平小屋経由で折立に下る。 |
初めての北アルプスの旅 1〜2日目 太郎兵衛平 2015.9.28
初めての北アルプスの旅 3日目 黒部五郎岳 @ 2015.9.29
初めての北アルプスの旅 4日目 黒部五郎岳 A 2015.9.30
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